
スマートグラスとは
(仕組み、活用方法、導入時のポイント)
スマートグラスとは情報を視界に表示し
ハンズフリーで操作できるウェアラブルデバイス
スマートグラスとは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)方式のウェアラブル端末で、装着者の視界にデジタル情報を表示できるデバイスです。 一般的にディスプレイとカメラを搭載しており、視界全体を覆う没入型のVR機器とは異なり、現実世界を見ながら情報を取得・共有できる点が特徴です。
スマートグラスには、音声認識機能を備えたモデルもあり、音声コマンドによってハンズフリー操作が可能です。これにより手を使わずに情報の確認や指示の実行ができ、作業効率の向上や業務の円滑化に貢献します。
今後の技術進化によって、さらに多機能化・高性能化が進み、私たちの生活や仕事のあり方を大きく変える可能性を秘めています。

スマートグラスの仕組み
スマートグラスは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)方式のウェアラブルデバイスであり、内蔵されたディスプレイやカメラ、センサー、プロセッサーなどの技術を組み合わせて動作します。その基本的な仕組みを以下に紹介します。●ディスプレイ
スマートグラスには、小型のディスプレイが内蔵されていますがさまざまありますので代表的な方式とタイプを紹介します。
- ・非透過方式
-
現実世界とは切り離して情報を鮮明に表示できるため映像が見やすい
有機ELのディスプレイは高精細で画質が良く薄い、液晶のディスプレイは画質やサイズがやや劣るが安価
最近のスマートグラス製品は有機ELを使用している場合が多い
- ・透過方式
-
現実世界に映像を重ね臨場感のある映像をことができるが、使用環境により見づらくなる可能性がある。特に明るい場所で使用する場合は表からの光を防ぐ遮光カバーやシェードが必要。
- ・片眼タイプ
-
軽量設計と広い視界の確保が特長です。片側のみにディスプレイがあるため、作業との両立がしやすく作業情報を見ながら手元の作業を行うような業務に適しています。そのため、遠隔支援や作業ナビゲーションなど産業用途で業務効率化に活用されています。
- ・両眼タイプ
-
広い表示範囲と高い没入感が特長です。両目で映像を見ることができるため、3D表示や立体的な情報提示により臨場感のある体験ができます。また、広い視野角により多くの情報を一度に表示できるため、シミュレーションやトレーニングなどの分野で活用されています。

有機ELのディスプレイは高精細で画質が良く薄い、液晶のディスプレイは画質やサイズがやや劣るが安価
最近のスマートグラス製品は有機ELを使用している場合が多い
- ・片眼タイプ
- 軽量設計と広い視界の確保が特長です。片側のみにディスプレイがあるため、作業との両立がしやすく作業情報を見ながら手元の作業を行うような業務に適しています。そのため、遠隔支援や作業ナビゲーションなど産業用途で業務効率化に活用されています。
- ・両眼タイプ
- 広い表示範囲と高い没入感が特長です。両目で映像を見ることができるため、3D表示や立体的な情報提示により臨場感のある体験ができます。また、広い視野角により多くの情報を一度に表示できるため、シミュレーションやトレーニングなどの分野で活用されています。
●カメラとセンサー
多くのスマートグラスにはカメラが搭載されており、周囲の映像を撮影したり、QRコードや文字を認識したりすることができます。
また、以下のようなセンサーを組み合わせることで、より高度な機能を実現しています。
- ・加速度センサー
-
スマートグラスの動きを検知し、多様な活用が可能です。頭の動きでメニュー操作や画面スクロールを行うジェスチャー操作、歩数や動作を分析して作業者の疲労度を推定する歩行解析、転倒を検知してアラートを送る安全管理などに活用できます。また、作業時の動作データを記録し、効率向上や姿勢改善に役立てることも可能です。
- ・ジャイロセンサー
-
回転や角速度を計測し、スマートグラスの精密な動作検知に活用できます。視線追跡によるポインタ操作や、頭の動きに応じた情報の安定表示が可能です。また、作業者の姿勢を分析し、無理な姿勢の継続を警告することで疲労やケガの防止に役立ちます。さらに、ジェスチャー操作と組み合わせることで、より直感的な操作が実現できます。
- ・GPSセンサー
-
位置情報を活用し、スマートグラスの屋外利用を強化します。作業員の位置をリアルタイムで把握するトラッキングや、工場・建設現場でのナビゲーション支援が可能です。特定エリアに入ると作業手順を自動表示する機能も活用できます。また、移動履歴を記録して業務改善に役立てたり、安全管理のために危険区域への進入を警告したりすることもできます。
- ・環境センサー
-
環境センサー(温度・湿度・気圧など)は、作業環境のモニタリングに活用されます。高温・低温や高湿度の危険な環境を検知し、作業員に警告を発することで安全管理を強化できます。また、気圧変化を活用して高所作業のリスクを把握したり、粉塵センサーと組み合わせて空気質を監視したりすることも可能です。これにより、快適で安全な作業環境の維持に貢献します。
●音声認識・タッチ・ジェスチャー操作
スマートグラスの操作方法には、音声認識、タッチパッド、ジェスチャーなどさまざまな方式があります。
- ・音声認識
-
音声コマンドによりスマートグラスをハンズフリーで操作することが可能。
メニューや写真撮影などスマートグラスの操作を声だけ行うことができるため作業をしながら記録を取ったり、安全管理の強化を行うことができます。
- ・タッチパッド
-
端末に搭載されたタッチパッドを使用することで、スマートグラスを直感的に操作が可能。
画面のスクロールや移動など音声だけでは操作が難しい場合に活用されます。
- ・ジェスチャー操作
-
頭や手の動きをセンサーやカメラで認識して特定の動作によってスマートグラスを操作することができます。
直感的に操作が可能で没入感を高めるためがエンターテイメント分野での活用が効果的です。
メニューや写真撮影などスマートグラスの操作を声だけ行うことができるため作業をしながら記録を取ったり、安全管理の強化を行うことができます。
画面のスクロールや移動など音声だけでは操作が難しい場合に活用されます。
直感的に操作が可能で没入感を高めるためがエンターテイメント分野での活用が効果的です。
●通信機能
スマートグラスは、Wi-FiやLTE通信、Bluetoothを通じてスマートフォンやクラウドと連携し、リアルタイムで情報を取得・送信することができます。
●バッテリー
スマートグラスの使用時間を延ばすためには、大容量のバッテリーを搭載する必要があります。
しかしスマートグラスは頭に装着して持ち歩くウェアラブル端末のため、バッテリーが大きくなると重量が増し、長時間の装着が負担になる可能性があります。
そのため、使用時間を延ばしつつ、装着時の快適さを維持するためのバランスが重要になります。
製品によっては使用中にバッテリー交換が可能な端末がありますので、予備バッテリー携帯など運用面でも検討が必要です。
スマートグラスでできること
スマートグラスは、ハンズフリーでリアルタイムの情報を取得・共有できるウェアラブルデバイスとして活用されています。産業用途において遠隔支援では作業者の視点映像をリアルタイムで共有し、遠隔地の専門家が適切な指示を出すことが可能です。
作業支援ではディスプレイにマニュアルや手順を表示し、作業の正確性や効率を向上、人材不足の解消として活用できます。
また作業をしながら遠隔地と情報を共有・連携できるため、移動時間の削減や業務の効率化につながりコスト削減にも貢献します。

スマートグラスの活用方法
- 遠隔地の現場映像を確認しながら指示を行い遠隔支援
- 遠隔地の専門家や技術者とビデオ通話により現場の問題を解決
- 手順やマニュアルを確認しながらの作業で作業品質を向上
- 作業進捗を遠隔地からリアルタイムで確認し作業管理
- 現場視察や作業状況を映像で記録して証跡として活用
- 熟練者の作業目線を記録して教育素材として活用
- 未熟練者の現場サポートを遠隔からリモート補助
- 高齢熟練者が遠隔から現場をサポートし人材不足の解消

スマートグラス導入時のポイント
スマートグラスを業務やサービスに導入する際には、単にデバイスを購入するだけでなく、環境の整備や運用の計画が重要です。 導入を成功させるために、以下のステップを踏むことをおすすめします。●導入目的を明確にする
スマートグラスをどのような業務やシチュエーションで活用するのかを明確にします。 例えば、スマートグラスを使って「現場作業者と専門家をリアルタイムでつなぎ遠隔支援を行う」や「作業手順を表示して作業者の育成をサポートする」といった具体的な目的を明確にすることが大切です。 また複数の目的がある場合は一度にすべてを解決しようとするのではなく優先順位を決めて段階的に導入を進めることでスムーズに活用できるようになります。
●用途に合った端末の選定
スマートグラスには、ディスプレイの透過・非透過方式、業務用モデルや一般向けモデルなどさまざまな種類があります。
利用目的にあった端末の選定を行う必要があります。
ディスプレイ | 透過式 / 非透過式 / 片眼タイプ / 両眼タイプ |
---|---|
操作方法 | 音声操作 / タッチ操作 / ボタン操作 / ジェスチャー |
バッテリー | 持続時間 / 交換方法 / 充電方法 |
装着感 | 重量 / デザイン / 他の装着物との相性 |
利用環境に応じた機能 | 耐久性 / 防塵 / 防水性能 |
アプリ機能やシステム連携 | ビデオ通話 / ナビ機能 / 外部連携 / 記録機能など |
●ネットワーク環境の確認や整備
スマートグラスはWi-FiやLTE通信を活用して安定したネットワーク環境が必要となります。
特にリアルタイムで映像を送信するビデオ通話では高速で安定した通信環境が求められます。
またご利用の通信環境でスマートグラスのサービスが問題なく利用できるかをチェックすることが重要です。
例えば社内ネットワークの制限によって接続できない場合やセキュリティポリシーにより特定の機能が使えない可能性があるため事前にIT部門と連携して確認しましょう。
自社環境にてクラウドサービスが利用できない場合は、オンプレミスのサービスも検討しましょう。
●導入後の運用体制を整える
スマートグラスは導入するだけではなく、適切に運用しなければ効果を発揮できません。 例えば社内向けにスマートグラス使用マニュアルを準備したり、サービス使用者に向けたトレーニング(操作方法やトラブル対応)などを事前に行うことでスムーズな運用を行うことができます。
端末選定時の注意点
- 屋外使用など明るい環境では透過方式のディスプレイは視認性が低下する場合がある
- 騒音環境では音声認識機能が正しく作動しない可能性があるため、ボタン操作やタッチ操作の併用が必要となる場合がある
- ジェスチャー操作、タッチ操作は現場作業中の操作としてはシビアで操作難易度が高くなる場合がある
- 頭に装着するHMDの重量により長時間使用時の作業者への負担が大きくなる場合がある
- 稼働状態でバッテリー交換が可能な端末でも装着状態で交換ができるのか確認が必要
- 海外使用が目的の場合はその国で使用できる端末か確認が必要(海外使用には国ごとの認証が必要)
- 実装されているアプリが導入目的を達成できる機能なのか確認が必要
スマートグラスの未来
スマートグラスの未来は、より軽量で高性能なデバイスへと進化し今まで以上にさまざまな分野での活用が広がると考えられます。また、AIとの連携によりリアルタイム翻訳や情報解析がさらに進化して現場作業の効率化を加速させることでしょう。
今後、5Gやクラウド技術の発展とともに大容量データの送受信がスムーズになり遠隔操作や高度な分析が可能となることで、スマートグラスは各分野・現場において欠かせないデバイスへと進化していくと期待されています。
